【天気の子】結末はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか考察してみる

天気の子、7月19日の公開とともに見てきました。

ただ、これ人によってハッピーエンドかバッドエンドか別れるところです。少なくとも、「君の名」のように、完全なるハッピーエンドかと言われれば間違いなく微妙。
 

そこで「天気の子」はハッピーエンドなのか?

それともバッドエンドなのか考察してみます。
 

また、この記事では「天気の子」の結末をお話するので、ネタバレが嫌な人はここから先は読まないでくださいね。結末のネタバレ上等な場合だけ読み進めてください。
 

「天気の子」超ザックリのネタバレと結末

天気の子の結末とネタバレ
・東京で、毎日のようにずっと雨が降り続いていた
・ヒロインの天野陽菜は「晴れ女」であり、お祈りすれば大雨でも快晴になる
・陽菜は「天気の巫女」であることが発覚。巫女が人柱になると天気の異常は戻る
・陽菜が犠牲になる(一人、雲の上の世界に留まり続ける)
・主人公、森嶋帆高が警察から逃げたり銃を向けたりしながら陽菜を救出
・再び天気は”異常”に戻り、3年間雨が降り続いて東京水没
・3年後、陽菜と帆高は再開を果たす

ホントにサクッとですが、天気の子のネタバレと結末は上記です。

まず見て頂ければ分かる通り、東京は水没します。そしてこの問題は解決されることはなく、ラストシーンでも東京は水没したまま終わります。

 
陽菜を雲の上の世界から救い出して、

「おぉ、これでエンディングかー」

と思ってたら、まさかのいきなり「東京の雨は3年間止むことがなかった」というナレーションからの「東京は海に沈んだ」というサラッと語られるとんでもない事実。

 
また、主人公の帆高くんは家出少年。

どこぞの島からフェリーで東京に出てきた高校生なので、両親から捜索願いを出され、物語全編通して警察に追われています。また、物語の途中から陽菜と弟の凪もホームレスと化すので、3人で警察に追われるハメに。

さらにさらに、ストーリー終盤で大人2人(須賀さんと夏美)も逃亡に協力するので、最終的に5人全員が警察に捕まるというなかなかの非行映画になっています(笑)

 

「天気の子」はバッドエンドかハッピーエンドか?

「天気の子」を評価するなら

ハッピーエンドの雰囲気を被ったバッドエンド

と言えます。

最後の再会シーンが美しいので「あー、良かったねぇ」と思わされますが、実際には東京の水没を筆頭にいろいろ問題があるわけで…結局の所バッドエンドではないかと感じてしまいます。

私が、「天気の子」がバッドエンドだと感じた理由は4つです。

バッドエンドの理由1:東京水没したけどどうすんの?
バッドエンドの理由2:主要人物5人、全員警察行き
バッドエンドの理由3:帆高くん、あんまり成長してなくない?
バッドエンドの理由4:陽菜のメンタルの問題

 

1.東京水没したけどどうすんの?

「天気の子」のラストでも語られている通り、天気の巫女である陽菜を助け出した代わりに、再び東京は雨の降り続ける街になってしまいました。

そして、東京水没(笑)

 
物語を見てると、浜松町駅(JR駅)がフェリーの停留所になっていたり、なんだかんだ都民はたくましく生きていたので、住めば都なのかもしれませんが…

少なくとも、陽菜が死ぬまで(もしくは東京を出ていくまで?)東京はひたすら雨&水没都市となるわけで、都民の生活的にも日本の経済的にも大打撃です。
 

いわば、東京が常時「日本沈没」状態になるわけなので、帆高くんと弟の凪くん以外からしてみたら、陽菜には素直に人柱になってもらいたいレベルでしょう。

晴れ女になったのも、自分の行動が理由なわけですし。東京都民にとってみれば、陽菜が生存してしまったのは間違いなくバッドエンドと言えます。

2.主要人物5人、全員警察行き

「君の名は」では、三葉の友人であるテッシーが変電所を爆破する(しかも、好きな女の子の彗星が落ちてくる!という発言を信じて)シーンがありました。

ところが「天気の子」は、それ以上に軽犯罪から重犯罪までのオンパレードです。特に主人公が終盤に犯罪しまくるせいで、ストーリーより気になってしまいました(一発の重みは、変電所を爆破したテッシーには敵わないですが)
 

天気の子、主要メンバー5人の犯罪まとめ

・落とし物(銃)を拾って届け出をしない
・人に向かって銃をぶっ放す
・警察に暴行を加える&暴行する
・線路立ち入りして(しかも都心の)電車の運行を妨害
・逃亡犯をバイクに載せ助ける
・年齢を偽り、中学生でありながらバイトする
・高校生&家出少年と知りながら月給3000円で雇う

 
特に、人柱になった陽菜を助けるべく、廃ビル上の神社へ向かおうとする帆高をはじめ、全員が警察の妨害をするわけです。須賀おじさんに至っては、警察官思いっきり殴ってますからね(笑)

陽菜を救出したあとは、世界が改変されて今までの犯罪はすべて無かったことに…なんて事もなく、救出された陽菜も含めて全員が警察のお世話になることになります。
 

一番犯罪しまくった帆高くんは、結局保護観察処分(親元に送り返されて、高校卒業まで監視つきで暮らす)だけで済んだので、さすがは未成年パワー。

一方で、成人でありながら「公務執行妨害+暴行」した須賀さんは普通の逮捕案件です。陽菜を助けるためとは言え、もうちょっとスマートにいけなかったのかと。
 

3.帆高くん、あんまり成長してなくない?

帆高くんが家出した理由は

退屈
窮屈

あたりです。

 
ただ、やたら実家に帰ろうとしないところを見ると、両親とも不仲なところがあるのかな?と感じます。少なくとも、仲が良ければ家出なんてしないでしょうし。
 

結局、物語の最後に陽菜を地上に連れ戻したあと、帆高くんは実家に送り返されます。そして、保護観察処分を受けて3年間を島で過ごすわけです。

でも、3年後に島を出る時のナレーションを聞いている限り、今まで通り「退屈な島で退屈に過ごした」と思われます。そして、高校卒業後に再び東京へ来て1人ぐらしを始めます。

 
いや、結局のところ帆高くんあんまり成長してないよね?

1人の女の子を守ったことは評価されるべきですが、肝心の帆高くんの考え方にそこまで成長が見られなかった点は気になりますね。「天気の子」のなかで東京でもがいてきた日々はなんだったのかと。

4.陽菜のメンタルの問題

陽菜が帆高の助けを受け入れて、雨の振り続ける「狂った世界」で生きていくことになります。その間、大雨で東京は水没し、中には亡くなる人も出てくるでしょう。
 

そこで問題なのが、陽菜のメンタルです。

自分がいるから東京が水没して、自分がいるから人が亡くなって…

という状況で、何も気にせず過ごしていられるかという話です。1度は救われた命とはいえ、この覚悟を持って生きるのは尋常じゃないメンタルが必要だと思われます。
 

おまけに、自分を救ってくれた男の子は3年も姿を表さないし。

雰囲気からして電話などでも一切連絡を取っていないようですし、ある意味、3年後も平然と生き続けている陽菜のメンタルが強すぎると言えます。

(晴れるようにお祈りしているシーンを見ても、すべて受け入れて生きているような、達観みたいな雰囲気すら感じますが…)
 

雲の上で人柱になった方が良かった、とは必ずしも言えません。でも、「自分のせい」という感覚を引きずったまま生きていくのは予想以上に辛いでしょうね。
 

新海誠監督はバッドエンドが好き?

新海誠監督の「君の名は」はハッピーエンドですよね。

三葉の故郷である糸守が彗星で吹き飛んでしまったのは確かに残念ですが、結果的に人は死なず、おまけに三葉と瀧は記憶が消えていても再会することができた。

 
ただ、新海誠監督ってバッドエンド大好きです。

「君の名は」ももともと「瀧が三葉と再会するも、すでに三葉には彼氏がいた」というストーリーが計画されていたところ、編集者の意見で今のラストに変更されていたとかなんとか。

もし、君の名はのラストシーンで三葉の彼氏が出てきたら、あの作品は今より遥かに売れてなかったでしょう。編集の有能アドバイスがなければ、バッドエンド一直線だったわけです。
 

もちろん、それ以外の作品も同じ。

あまりにもバッドエンド作品が多すぎるせいで、昔からのファンは「君の名は」がハッピーエンドになったことに驚いたくらい。
 

だからこそ、今回は「1人の女の子」「世界」を天秤にかけたんでしょう。

 
最後に主人公とヒロインがすれ違って気づかず終わり…みたいなラストでは売れないと、君の名はで学習した。だが、完全勝利のハッピーエンドにしたくない。

その結果、東京の街が水没したという話です(笑)

 
「天気の子」を見終わった瞬間、

絶対に、完全勝利のハッピーエンドなど許すものか!

という新海誠監督の声が聞こえてくるようでした。女の子と出会わせてやるんだから、世界の1つくらいおかしくなってもいいだろ?的な。

バッドエンドの映画が好きな人もいますが、ハッピーエンドの方が好きな人が多いですし、「天気の子」は「君の名は」ほどの人気にはならないでしょうね。
 

「天気の子」はバッドエンド

陽菜を助けて、東京で陽菜に再会して…

ラストシーンは意外に爽やかなのでハッピーエンド臭がしますが、実際には東京の街が終わっていたり、その代償として前科者が大量発生したり、陽菜自身も生きていくのに相当な気力が必要だったり…結構なバッドエンドな気がします。

もちろん、「世界より1人の女の子」を選んだ帆高にはハッピーエンドでしょうけどね。マインド的な問題で、陽菜自身は必ずしも「助かってよかった!」と言えないだろうところが余計に悲しくなりますね。
 

※ここまで、私の浅い頭で感じた感想を読んで頂きありがとうございます。すでにコメントを頂いていますが、「私はこう思ったよ!」という意見がありましたら、ぜひコメント欄から教えて頂ければと思います。

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5 件のコメント

  • お初にお目にかかります。僕は、今回の作品を見終えて、いやー監督を始め制作サイドはよくまとめきったなぁと思いましたね。というのも作品では天気がテーマな分、主人公中心では描けず、どうしても多くの人物が描かれて落とし処が難しかったと思うので。
    その分、バッドエンドかハッピーエンドかは登場人物によると思うので、一言では言えないのでしょうか。僕の中では、水没した世界で出てきたメインキャストは、状況を受け入れて前を向いて歩み出していたのでハッピーエンドと言えるかと思います。特に須賀さんはその最たるものかなと。元の世界では、仕事も娘との関係もうまくいかなかったものの、水没した世界では、それを受け入れたことで活路を見出だしていましたからね。特に帆高との関係はきれいにオチてたなと。初めは、須賀さんが帆高を助け、水没した世界ではその帆高に結果的にではありますが、救われた形ですからね。逆にその世界に出てこなかった夏美や凪(写真では出てきましたっけ?)はうまく受け入れられず、バッドエンドだったのではないかと推察しています。単純に時間の関係でカットかもしれませんが、メイン以外の人達も含め、バッドエンドの人達を映してしまうと、全体のストーリーがぼやけてしまうので、あえて見せないようにしたんだと自分では解釈しています。
    帆高が成長していないというのは嘘だと思います。これは陽菜を救い出した部分にそれが表れています。帆高にとっての理想の陽菜像は、天気をコントロール出来る、魔法の力を持った陽菜のはず。しかし、それが叶わなくなった際、能力が無くなっても、自分のそばにいてほしいという強い思いが上回り、とんでもない行動に繋がったのだと思います。もし、成長がなければ何も出来ず、あるいはただ単に理想像を求めて陽菜が人柱になって、なすすべなく、そこで物語は終わっていたと思います。また、そういったエンディングも出来たと思いますが、これもまたストーリーがめちゃくちゃぼやけてしまいます。帆高は究極のバッドエンド、陽菜は自分の思いで人柱となるので、本人にしてみてはハッピーエンド、その他の人達は、元通りの世界でハッピーな人もいればバッドの人もどちらもいるという混沌とした状態で物語が終わってしまいます。なので落とし処として、帆高がそういった行動を取ることで(制作サイドが取らせることで)物語はかなりスッキリ感が出たと思っています。
    長々と失礼しましたm(_ _)m

    • やすさん、コメントありがとうございます♪

      たしかに天気の子は、君の名はと違って誰が見ても分かるハッピーエンドではないので、解釈が難しいですよね(笑)

      私の場合、正直ストーリー自体には直接関係ない最後の連続犯罪が気になってストーリーを楽しみきれなくなってしまったところがありますw

      もちろん、作品自体はすごく楽しかったですし、やすさんの意見も踏まえてもう1度映画館に言ってこようと思います♪

  • はじめまして

    私はこのブログに来る際「天気の子 バッドエンド」で検索しました
    個人的にはハッピーともバッドとも取れない不思議な感覚でしたが、一緒に観た友人はバッドエンドだねと言っていたので世間の意見が気になりました
    私自身、君の名は。からファンになった新参者ですが、新海監督はファンタジーな世界観でも自然現象と人間の力のパワーバランスが明確だなと天気の子を観て感じました。

    今思えば、君の名は。も入れ替わって過去に戻っても隕石落下という現象自体は変わらなかったし、入れ替わりの代償(?)として記憶が薄れてしまっていたしたのを思い出しました。

    天気の子においても、気象を人間の都合のいい状態にするには1人の命を代償にする必要がありましたね。結果的に抗って雨の止まない世界になったわけですが…

    話は変わって陽菜は晴れを強く願って晴れ女になりましたが、3年間雨の止まない海に沈んでいく東京で晴れを強く願う人はいなかっただなと思いました。3年後の人々も雨の止まないことを受け入れて普通に暮らしていたのでやっぱりバッドエンドではないのかなと改めて思いました。

    • コメントありがとうございます♪

      あくまで主人公視点の物語だから、
      陽菜を救ったことでハッピーエンドとも言えるし、
      その他の人の視点から見ればバッドエンドという感じですよね。

      代償として街や人命(具体的には描写されていませんが、
      東京が沈む過程で間違いなく犠牲はあったでしょうし)。

      一方で、仰る通り東京の人は変わった街を意外と受け入れていたので、
      いざ変わってしまえばそこまで悪いことでもなかったのかな…とも思ったり。

      考察のしがいのある作品ですよね!

  • 個人的にはハッピーエンドだと思っています。
    理由を書いていくと書ききれないので、主さんと同じ視点で私の考えを書いていきます。

    1.東京水没した件
    新海監督が描きたかったことのひとつに、「気候変動」に対する考え方があります。
    地球温暖化が叫ばれるなかで、日本だけならず世界中で異常気象が増えました。
    異常気象は劇中でもある通り、人間からしてみれば異常なだけで異常ではないのかもしれないし、実は人間のせいで引き起こされている事象なのかもしれません。
    ただ、少なくともこれからを生きる子供たち(=陽菜たち)には責任がない(=人柱になる必要はない)のだから、たくましく生きてほしいというメッセージを入れたかったようです。
    もうひとつ、異常気象の中でも人々は対応して生きていけるというメッセージも込められています。

    2.全員警察行きの件
    弁解の余地はないですね(笑)
    ただ、世間一般でいう正しいことが本当に正しいとは限らないというのは「天気の子」全体を通してのメッセージになっていると思います。

    3.4.帆高と陽菜の件
    正直、帆高が一番成長したのは最後の最後だと思います。
    そもそも、勢いだけで陽菜を助けてしまい、東京を沈めてしまったという実感が持てていないのです。
    陽菜を助けた直後に島に連れ戻され、その後の東京を間接的にしか知ることができません。
    東京にいたことの出来事は突拍子もなさすぎて、現実感に欠けてしまい、当事者意識がもてないのでしょう。
    そして、3年後、冨美さんや須賀さんと話をしているところを見ても当事者意識のかけらくらいしか見えません。
    そんな帆高は陽菜と再会して何を思って、何を考えたか。
    ぜひもう一度ご覧になっていただければと思います。
    このシーンは新海監督も相当悩んで作られていたようで、とっくの昔に提供されていた「大丈夫」を1年ぶりに聞いて、そこから着想を得て書き上げたそうです。
    歌詞がまさに帆高の心境そのものであり、新海監督自身が「そうなるしかなかった」という意味がよく分かります。

    最後にまとめると、途中にも書きましたが、「世間一般でいう正しいことが本当に正しいとは限らない。」というのがメインテーマでしょう。完全勝利のハッピーエンドにしてしまってはそれが正解になってしまいますが、そうしないことで観客に疑問を投げかける形になっています。個人的には、誰か一人が犠牲にならなきゃいけないくらいならみんなで不幸になろうぜ!と思っているので、この終わりは好きですね。
    ちなみに、「君の名は。」のラストは当初からハッピーエンドだったらしいです。川村Pが誤解されていると嘆いています(笑)
    長文失礼しました。

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