N国の議席躍進の理由はなぜ?誰が投票したのか[支持層と年代]

2019年8月12日、TOKYO MX前が騒然となりました。

同局の情報番組の「5時に夢中」という番組内で、タレントのマツコ・デラックスが「N国は気持ち悪い。遊び半分で投票した人が多い。」などと言ったことへの抗議活動を、N国党首立花孝志氏が行ったためでした。
 

この抗議活動に対して、立花氏の支持者と見られる人たちが100名以上も集まり、警察も出動する大騒ぎに。

現在の政党でこれほどの影響力をもつ団体はほかにはないでしょう。このN国という政党の議席躍進の理由はなぜなのか?誰が投票したのかなどを紹介していきます。
 

これまでの流れ

N国とは正式には「NHKから国民を守る党

党首は立花孝志氏。

2013年に発足した比較的新しい政党です。

その政策は「NHK放送のスクランブル化」という単一論点政治(マスコミは「ワンイーシュー(one issue)」と呼んでいます)にあります。
 

「NHK放送のスクランブル化」とは、NHKに受信料を支払った者だけがNHKを視聴できる仕組みをいいます。

現在はテレビを購入すれば、自動的にNHK受信料の支払い義務が生じるのでNHKの番組を見ない人も「視聴料」を支払わなければなりません。この不公平感がN国党の結成理由であり、最終目標だと立花氏は言っています。
 

2013年結党。

同党は千葉県船橋市市議会選挙に立候補、当選し、その後は2019年の統一地方選挙において47人を立候補させ、そのうち26名が当選しました。

そして第25回参議院選挙において比例区で党首の立花氏が当選。これにて、N国党は国政進出を果たしま、日本維新の会を除名された衆議院議員の丸山穂高氏を入党させ衆参両議院において議員を擁する政党となったわけです。

 
わずか6年で国政進出を果たしたのはなぜか。つぎにその理由を考えてみたいと思います。
 

N国が発展した理由

これは立花氏の戦略が見事だったといえるためでしょう。大きく分けて2つの理由があります。

①どの層を狙えば票を得られるか
②どのメディアを使えば宣伝できるか

この2つの理由を考えてみます。
 

N国の支持層

まず立花氏は同党の立候補者を出す選挙区を、東京や大阪の大都市圏のベッドタウンに絞りました。

なぜなら、そういった場所は住民の流出入が激しく従来の政治家がもつ「地盤」、つまり「しがらみ」が少ないため票が得やすいからです。
 

戦国時代を例にしましょう。

当時の日本では西日本は大陸との貿易が盛んで、人間の行き来が盛んでした。それゆえ鎌倉時代からの名家は没落し、織田信長や毛利元就といった小豪族が勢力を伸ばしたのです。

立花氏のとった手法も同じで、昔からある住宅地では地盤のある当地の政治家が票を握っており、小政党は票を得られないと見越して新興のベッドタウンを選挙区に選びました。

 
さらに、立花氏は浮動票をメインターゲットに。浮動票とは政治的なポリシーのない人の票をいいます。とりあえず投票所に行こうかと考えてる人たちといえます。

そういう人の多くは1人暮らしの社会人や学生がメインであるといわれています。彼らには地盤をもつ政治家の影響は及びません。だから票を得やすいと考えたわけです。
 

では、住民の流出入が多く、また浮動票をもつ人たちの心をつかむにはどうすればいいでしょう。立花氏は「You Tube」を宣伝メディアとしました。

住民の流出入が多い地域では、住民間の横のつながりは希薄です。選挙のときも個人がだれに投票するかを自分で考える必要があります。そして従来の政治家の選挙演説はどれも同じのように聞こえます。

 
そんな時、

NHKをぶっ壊す

などというショッキングなフレーズを聞けば、多くの人は耳を傾けるでしょう。
 

さらに、立花氏は社会に不満を抱く人の心をつかむため、「NHKは在日韓国・朝鮮人に支配されており、偏向報道が過ぎる。」という主張をしはじめました。

これが真実かはさておき、少なくともネット住民のマジョリティとも思える反韓国・朝鮮の意見をもつ人たちの支持も得ようとしました。

 
こういったショッキングなフレーズの多用や、ややヘイト的ともいえる発言は従来のメディアでは難しいでしょう。そこで、立花氏はYou Tubeにより同党の宣伝を繰り返しました。

浮動票を集めるためYou Tubeを使った(もしくはYou Tubeを使ったから浮動票が集まった)立花氏の選挙戦略は見事です。今では、小学生までが「NHKをぶっ壊す」と言っているそうです。

こういった現象が、マツコ・デラックスさんからは「気持ち悪い」と思われたのかもしれません。

 
しかし、私はマツコ・デラックスさんの発言は有権者の心理を考えていないのではないかと思えます。

建前ではなく人の心に巣くう感情に訴えた立花氏、そしてその主義主張を真剣に想像すれば、マツコさんのような軽率な発言はできないとおもいます。

 

まとめ

マツコさんのような軽率な発言ではなく、「NHKを壊すことに意味があるのか」というもっともな批判を、テレビのコメンテーターが言っていますが、それについてわたしの考えを述べてまとめにしたいと思います。

結論から言うと、NHKのスクランブル化に私は賛成します。なぜなら日本国憲法21条1項に現在の仕組みが反するからです。

まず、憲法21条1項は表現の自由を保障しています。そして表現の自由は民主主義政治にとって必要不可欠だから最も重要な基本的人権として、厚く保障されます。
 
この表現の自由は2つに分けられます。つまり、

①表現行為をする自由
②表現行為を受け取る自由

また「表現の自由」は表現行為をする自由・しない自由と、表現行為を受け取る自由・受け取らない自由に分けられます。つまり以下の4つです。

①表現行為をする自由
②表現行為をしない自由
③表現行為を受け取る自由
④表現行為を受け取らない自由

 
そしてテレビを購入すれば自動的にNHKと受信契約を結ぶ義務が発生する現在の仕組みは②´の表現行為を受け取らない自由に反するといえます。

表現の自由は民主主義政治にとって重要不可欠だから厚く保障されています。この原則に従うならば、スクランブル化こそが憲法21条1項に最も忠実な仕組みだと思えます。

そういった意味で、N国は憲法上重要な論点を争う政党としてもっと重要視されるべきでしょう。

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