米中貿易摩擦で何が起こるか分かりやすく簡単に解説!日本への影響

歴史から教訓を学ばない者は、過ちを繰り返して滅ぶ
 

11月20日、

「米中貿易摩擦でアメリカの動物園からパンダが消える」

というNHKニュースを聞いて、思わず苦笑しました。私は心中、「パンダだけでなく人間も消えてしまうかもね。」と皮肉をつぶやいたものです。

 
今回の米中貿易摩擦で何が起こるかという問題は、「第三次世界大戦の瀬戸際である」と思います。

だから冒頭のタイトルを第二次世界大戦中のイギリス首相チャーチルの名言から始めたのです。まずは米中貿易摩擦とは何かからお話ししたいと思います。
 

米中貿易摩擦の簡単な流れ

アメリカの貿易赤字が深刻に

米中貿易摩擦の問題は、アメリカ大統領選のドナルド・トランプ候補の発言から始まりました。
 

トランプの基本政策は内需(国内の消費)を拡大すること。

ですがアメリカは中国への貿易赤字が増えけていました。貿易赤字が増える=アメリカから中国に富が流出しているということで、決してアメリカにとって良くないのは分かると思います。

 
話は前後しますが、どうしてこの問題をアメリカ政府が放置していたのか?それは、前大統領のオバマ大統領が中国政府と蜜月関係にあったからです。

ややゴシップになりますが、オバマ前大統領の弟は企業家で、中国で大儲けをして今もセレブな生活をしています。このことだけでもとてもキナ臭いと思いませんか?
 

トランプは大統領に就任後、さっそく米中貿易摩擦の改善をはじめました。

手始めに2017年4月、習近平国家主席の訪米時に「米中包括経済対話メカニズム」を作成して、不均衡の解決に取り組もうとしました。

ここで対話がうまくいけばよかったのですが、3か月後の7月に閣僚級の対話でこの話は無くなりました。この時点で、両国の貿易問題の平和的な解決の機会が失われたのです。

 
ここまでは単に中国企業の製品が優秀だからアメリカをはじめ諸外国でも売れ行きが好調なのだともとれますが、中国政府の貿易戦略がかなりダーティーなものだったと判明します。

2017年9月、アメリカ政府が「外国企業が中国に進出する際、その外国企業のもつ技術移転を強要していた。」および「中国政府が中国企業に不公正に補助金を渡して輸出を促進していた。」と発表しました。
 

この中国の対応は国際貿易の平等性に反する行為です。

中国政府は、「企業がしたことで政府は関係ない。」とアメリカ政府の非難を無視。

しかし、中国は中国共産党の意向が絶対なので中国企業イコール中国共産党(イコール中国政府)といえます。つまり中国政府は事実上国際貿易の理念に反する行為を公然と行っていると認めたのです。
 

2018年1月、中国の対米貿易黒字は約2760億ドルと過去最高に達しました。

ここまでの流れをみると、中国は国際貿易のルールを無視して経済大国にのしあがった”ならず者”にすぎないといえます。
 

世界を巻き込む中国とアメリカの貿易摩擦

米中貿易摩擦はアメリカをはじめとする西側諸国の安全保障の問題へと代わり始めました。

3月、アメリカ政府は安全保障を理由にアルミや鉄鋼という品目に関税を追加。中国はこれに反発。4月には中国が今度はアメリカからの果物など128品目に追加関税を課しました。

アメリカはこれに対し、1300品目の中国製品に追加関税をしました。その中でも衝撃的だったのは「ZTE」という中国企業がイラン制裁に反して、アメリカの技術や製品をイランに売却していた事実が明るみに出たことです。

 
さらに6月、アメリカは中国人留学生に対してビザ発給を厳格化しました。

理由はアメリカの技術の流出を防ぐためです。

そしてとうとう7月にはアメリカは中国製品に対して25パーセントの追加関税を課すと宣言しました。中国はアメリカ政府に対して「史上最大の貿易戦争だ。」と反発しました。アメリカという世界唯一の超大国、そのマーケットを中国は失ったのに等しい状態となりました。
 

ここで経済というものを単純化してみます。

経済はwin-winであってはじめて成立します。だから、「買い手がいて売り手が生まれる」のです(逆は成立しません。なぜならwin-winではないから)。
 

中国の著しい経済発展は中国が安い製品を輸出することで成立しました。

買い手であるアメリカを失えば、売り手である中国の経済も必然的に衰えます。他方で、中国は世界第2位の経済大国です。このことは諸外国から見れば中国は買い手でもあるわけです。

しかし、中国の経済に暗雲が生じる以上、中国は自国への輸入(買い)を控えます。必然的に他の諸外国の輸出(売り)は減少し、それらの国々の経済にも暗雲が生まれます。
 

その結果、10月31日の世界同時株安という事態が発生しました。

この日の日経平均株価は−9.12パーセントになりました。

 

この事態に慌てふためいたトランプ大統領と習近平主席は、翌日電話会談。トランプ大統領はTwitterで「良い会話をした」と投稿して、事態の火消しをしました。

同時にトランプ大統領は、民主党がトランプにネガティブキャンペーンをしたから同時株安になったのだと中国を擁護する発言をしました。
 

しかし、米中の雪解けムードもつかの間、11月17日のアジア太平洋経済協力会議において、習近平主席がアメリカのせいで金融恐慌が発生しかけたと声明。これに対しペンス副大統領も中国の貿易ルール無視を非難しました。

12月1日、米中首脳会談で2019年2月28日まではこの関税合戦を休戦しようという合意がなされました。やはり両首脳とも世界経済への影響をおそれての合意でした。2019年3月1日以後も、両国の溝は埋まらずに関税の掛け合いは今も続いています。
 

米中貿易摩擦、アメリカと中国のそれぞれの動向

ここまでを簡単にまとめると、アメリカサイドからは

①トランプ大統領は内需拡大のため対中貿易の問題を指摘。
②アメリカの経済保護のため関税により中国からの輸入を制限。
③結果、世界経済が不安定になる。

となります。

他方で中国サイドは、

①国際貿易のルールの無視。事実上の経済侵略を諸外国に仕掛ける。
②イラン制裁という国際的合意を無視。

となります。

これらの事実は第二次世界大戦前夜を思い起こさせます。少し簡単に説明します。
 

第二次世界大戦前夜のアメリカの動きは、

①内需発展のため孤立主義(モンロー主義)。
②1929年の世界大恐慌、これに対処するためブロック経済体制(関税強化)。
③ニューディール政策が効果を生じるまでの間、アメリカの資金を世界から引き上げ。
④結果、アメリカ資金を失った諸外国の経済の悪化。

がありました。

他方でアメリカの敵国とされるドイツを例にとると、

①第1次世界大戦の賠償金のためドイツは異常な経済不況。
②ナチスが政権掌握。賠償金の踏み倒し。および経済政策の大成功。
③経済再建したナチスドイツ、ヨーロッパに侵略戦争を仕掛けた。
④共産国ソ連と条約を結ぶ。当時ソ連は資本主義の敵として認識されていた。

という動きがありました。

これらの事実をみると、米中貿易摩擦は第二次世界大戦前夜に驚くほど似ているとは思えませんか?

米中貿易摩擦が一層進めば、第三次世界大戦が起こりかねない、これが私の考えです。
 

米中貿易摩擦と日本

第三次世界大戦が発生すれば日本も巻き込まれます。しかしこれはあまりに漠然としているので、現在までの出来事から十分に予想しうる日本への影響を考えてみます。

2019年9月、安倍首相とトランプ大統領が首脳会談を行い、日米貿易協定の最終的合意を表明しました。

 
この協定の内容は、

①アメリカは日本の工業製品への関税の大幅な撤廃・削減。
②日本はアメリカの農産品の関税をTPPの限度まで引き下げる。

というものです。

この協定を受けて、アメリカは「アメリカ農家の大勝利」と喜びました。

どういうとかというと、TPPからアメリカは離脱しましたが、その結果得られなかった関税に関する利益をこの協定によりアメリカは得ることができたということです。
 

アメリカ側の考えは、

①TPPには加入したくないが、そこから得られる利益は欲しい。
②米中貿易戦争は長期化する。
③アメリカがこの貿易戦争で常に勝つとは限らない。
④もし負けた場合、トランプ政権へ影響が生じる。
⑤その場合、穴埋めとして日本との貿易の利益をアピールすることで影響を最小化する。

というものです。

つまり、日本は米中貿易摩擦で生じるアメリカのリスクの補償、もっと下品に言えば尻ぬぐいの役割を負わされたわけです。

現に、アメリカが中国に売り損ねたトウモロコシを大量に日本が買うことになりました。トランプ大統領はこれに大喜びだったそうです。
 

米中貿易摩擦の日本への影響、それはアメリカがもし負けた場合の損失補償をしなければならないということです。

 

まとめ

米中貿易摩擦はおそらく長期化するでしょう。そして、考えたくありませんが第三次世界大戦のきっかけにもなりかねません。

もっと狭く日本の役割だけみても、アメリカの失敗のリスク負担という損な役回りしか考えられません。

 
最近、保守と言われる言論人もこぞって安倍首相を批判しています。その内容は、中国にあまりに甘すぎるというものです。しかし、日本もアメリカにならって中国に厳しい態度をとれば、米中貿易摩擦がいっそう加速しかねません。

とすれば、安倍首相の中国への融和的態度は日本に危険が及ぶのを未然に防ぐためではないでしょうか。私は、安倍首相の対中国政策は正しいのではないかと思っています。

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