アマゾン森林火災の被害範囲と日本への影響【なぜ報道しない?】

ブラジルのアマゾンの森林火災の被害が深刻です。

7月の下旬から森林火災が始まり、もう1ヶ月近く山火事(森火事?)が続いているという異常事態。日本でいえば四国を超える面積がすでに消失しています。
 

「いや、しょせん地球の裏側の話だし..」

と思う日本人が大半だと思います。

 
そもそも、日本ではあまり報道されていないこのニュースですが、実はめちゃくちゃ重要です。地球温暖化とかよりも、遥かに危険性が高い問題と言えます。
 

今回の火災は「人為的なもの」であり、「継続的なもの」ということ。

今年だけ特に火災がヒドいなんて話ではなく、今後毎年のように問題になる可能性がある話です。今回のブラジル火災の被害や原因、その深刻さをできるだけわかりやすく解説します。
 

アマゾン森林火災の経過

アマゾンで火災が起きるのは当たり前

まず、アマゾンでの森林火災は珍しいことではありません。

特に7~10月は乾季にあたり、単純に火災が発生しやすい。(よくアメリカのカリフォルニア州で山火事が自然発生する時期があるのと同じですね)
 

ただ、今年はアマゾンでの森林火災が止まらないのが問題点。

アマゾンは熱帯雨林と言われるように「高温多湿」な環境です。つまり乾季だろうとある程度湿度が高いわけで、普通は森林火災が発生しても時間とともに鎮火します。

でも、今年はなぜか火災が止まらない。結果、地球の酸素の20%を生み出していると言われるアマゾンの森林が次々と焼失してしまっているわけです。

アマゾン森林火災の被害範囲

まず、今回の火災は一箇所で発生しているわけではありません。

1ヶ月燃え続けている~なんて言われると、1箇所で発生した火災が延々と続いているように感じますが、実際には大規模な火災が同時多発的に発生しています。
 

これは画像で見たほうがわかりやすいですね。

すでに、アマゾン森林で日本の四国以上の面積が焼失したと言われます。

これはあくまで「現在」の話であって、ブラジルは軍を出動させても未だに火災を食い止めることができず、当面も火災は続くと思われています。
 

アマゾン森林火災の原因

アマゾン森林火災が深刻化している原因は2つ。

1. 伐採によるアマゾンの気候変動
2. 大統領の積極的アマゾン森林開発

ポイントは「たまたま今年は森林火災がひどい」わけではなく、「今の状況が続けば、今後毎年のようにアマゾンの森林火災が問題になる」ということ。

単に一時的な森林火災と考えると、今回の問題の本質は見えてきません。
 

問題点1:伐採によるアマゾンの気候変動

アマゾンは地球上の20%の酸素を生み出す大事なスポット…

というのは先進国からの言い分で、ブラジル人、特にアマゾン近辺に済んでいる人からすれば、単に広大な森があっても生きていくためのお金になりません。
 

だから、アマゾンでは伐採&焼き畑が進んでいます。

森はお金にならないけど、農業はお金になる。もともとアマゾンの森林は少しずつ失われているのが現状で、アマゾン森林の気候も少しずつ変わりつつあります。

 
例えば、湿度の変化。

本来、アマゾンの森林ってひたすら森がずーっと続いているわけです。森の中には太陽の光も届きづらく、うっそうとした空間がずっと続いているわけですね。

これが高温多湿の環境になる理由でした。
 

ところが、伐採が進むとアマゾンの森林に道を通したり、「大きな森林」が「小さな森林」になっていきます。ところが、小さな森林の外周部分には太陽光がモロに当たるので、従来のような高温多湿の環境にはなりづらくなる。

そして、火災が起きやすい乾燥した環境になるわけです。

 
だから「今年が、いつもよりめちゃくちゃ乾燥してるからアマゾンの森林火災の被害が大きい」なんて話ではなく、そもそも森林火災が起きやすい環境に変わっています。

今後、もっと乾燥が進み火災が起きやすい環境になるのは言うまでもありません。
 

問題点2:大統領の積極的アマゾン森林開発

ブラジルは、2019年1月から大統領が変わっています。

ちなみに勝利を報じるニュースでは「極右」のボルソナロ氏が大統領選に勝利した。なんて言われているほどで、「ブラジルのトランプ」の異名を持つ大統領でもあります。
 
ボルソナロ大統領↓

このボルソナロ大統領は、
 
「アマゾンの、積極的経済利用」

を打ち出しています。
 

ブラジルのアマゾン周辺には2000万人もの人口が住むと言われていますが、彼ら住人からすれば農業に向かないアマゾンの森林は「ジャマ」なわけです。

ブラジルの生産力を高め少しでも経済発展させるには、アマゾンの森林開発を進めたい。ただ、あまりにも伐採や焼き畑を繰り返すと先進国から批判されることもあり、今までの大統領は抑え気味にアマゾンを経済利用してきました。

 
ところが、ボルソナロ大統領になって一変!

ブラジルのトランプと言われていることからも分かる通り、「自国優先」的な行動が多く、今まで抑えてきたアマゾン森林の開発も積極的に行うようになりました。
 

その結果、森林伐採でアマゾンの気候変動に拍車がかかる。

また、農業地にする前にはアマゾンの森林をいったん焼き払わなければいけません。だからアマゾン各地で星の数ほど大量の多くの火災が発生しているわけです。

アマゾン森林火災の影響

日本への影響

まずはアマゾン森林火災の日本への影響を見ています。

短期的に見れば、特に影響はありません。
 

アマゾンが世界の20%の酸素を生み出しているとはいえ、少しくらいアマゾンの森林が焼失したところで、酸素まで一緒に消えるわけでもありません。

ただ、酸素量が減る=二酸化炭素が増えるわけで、二酸化炭素の増加が原因と言われる地球温暖化がいっそう進むことになります。

(地球温暖化は必ずしも二酸化炭素が原因ではないとも言われていますが)

 
もっとも、これも毎年のようにアマゾンの森林が失われていったらの話。

今年「めちゃくちゃ火災が起きてるからやばいのか?」と言われれば、別にちょっとアマゾンが燃えたくらいで日本に影響はないというのが実情です。

なんせ地球の裏側ですし(笑)

なぜ、日本はアマゾンの森林火災を報道しないのか?
報道しない、とは言いませんが各国のメディアと比べると取り上げ方に大きく差があります。日本のテレビと言えば、芸能人やらあまり重要でない情報を流してばかり。

ただ、これは「マスゴミの印象操作~」なんてものではなく、単に日本人がブラジルの火災に興味を持たない(視聴率が取れない)から報道しないだけだと思われます。

つまり、日本人のリテラシーの問題といえるかもしれません。

長期的な世界への影響

さきほどお話しましたが、

今後、アマゾンでの大規模火災が毎年起きる可能性がある

というのが一番の問題点です。

1.アマゾンの気候変動
2.アマゾン開発を進める大統領

この2つの原因が重なって今年のアマゾンは凄まじく燃えているわけですが、気候に関してはヒドくなることはあっても、今より改善されることはありません。

 
さらに、ボルソナロ大統領がすぐに変わることもないでしょう。

ブラジル大統領の任期は4年で、途中でクビになることがなければ最低でも4年は大統領です。その間、アマゾンの森林開発は進み続けると考えるべきです。
 

となると、アマゾンの焼失面積は四国くらいでは済まないかもしれませんね。

日本列島と同じ、もしくはそれ以上の森林面積が失われる可能性も十分あります。その場合、酸素はさらに減って二酸化炭素が爆増。地球温暖化は水を得た魚のように加速します。

そもそも、そこまで劇的な変化があれば地球全体で気候変動が起きるのも間違いないでしょう。

 
ついでに言うと、ボルソナロ大統領が辞めても問題は解決しないかもしれません。

トランプ大統領をはじめ、「自国優先」のリーダーが各国で生まれていますよね。ブラジルも国民がそれを望んだから彼が大統領になったわけで、今の状況が続けばまた同じような思考の大統領になる可能性もあります。
 

アマゾンが完全に消滅することはない(そうなる前に、たぶん人間が絶滅します 笑)にしても、継続的なアマゾンの破壊が世界中の人間にとって影響があるのは間違いない。

だからこそ、今回の問題は「一時的なもの」で済ましてはいけないわけですね。
 

世界やブラジルの反応

世界の反応

イギリスのBBCはじめ、多くのメディアが連日報じています。

 
NHKニュースのトップページの端っこにすら、アマゾン森林火災のニュースがカケラも登場しない国は日本くらいなんじゃないかと思います(笑)
 
アマゾンの森林は、人類全体の財産なのだから火災を食い止めてほしい

というのがG7を中心とした世界の反応です。
 

この記事で何度も使っている表現ですが「地球全体の20%の酸素を生み出しているアマゾン」の破壊が進めば世界全体が困ることになります。

だからG7でもアマゾンの森林火災を大きく取り上げたし、約20億円にのぼる支援も表明しました。また、BBCをはじめとした外国の主要メディアも今回の火災を大きく報じています。
 

ただ、後述しますがブラジルはこの支援を拒否。

「早く森林火災に対応しないと、経済制裁するぞ!」という状況にもなっており、世界とブラジルでは今回の森林火災への対応に温度差があるのが正直なところです。

ブラジルの反応

ブラジル人の反応も2つに割れています。

都市部では、アマゾンの開発を加速させたボルソナロ大統領に対するデモが発生しています。これ以上森林を傷つけるな!というわけですね。
 

一方で、アマゾン周辺に住む人は違います。

彼らからすれば「将来、地球全体が困ることになる」なんて言われてもピンと来ないし、まずは目先の生活のために仕事をしたい。そのためにはアマゾンの森林はジャマです。

だから、今日も元気にアマゾンを伐採して焼き畑しています。

 
ブラジルは軍を派遣して消火にあたっていますが、火災が始まってから1ヶ月経っても未だに鎮火せず…むしろ被害範囲は増えていく一方です。

 
先進国からすれば

「世界的な危機」

でも、ブラジル(経済優先の人や、アマゾン近辺の人)からすれば

「どうせ焼き畑しなきゃいけないし、もっと燃えてくれてもいい」

くらいの認識です。

ブラジルの森林火災の被害範囲が拡大し続けているのは、単純に火災のエネルギーが大きいのもありますが、先進国との温度差によるものも大きいと言えます。

アマゾンの森林火災は、世界全体の問題である

一時的な森林火災…ではありません。

今回のアマゾン火災の本質は、先進国と発展途上国の対立です。

ブラジルからしたら、自分の国の森林を好きに焼き畑して何が悪い!という思いがあります。先進国の連中は今まで散々好き勝手やって今の地位を手に入れてきたのに、俺達には制限をつけまくって何様だ!と。

最初、G7からの20億の支援を断った理由もこれです。

日本からすれば、地球の裏側の遠い国の話。

でも今の根本的な状況が変わらなければ、来年も、再来年も同じもしくはそれ以上のペースでアマゾンの森林は消えていくでしょうし、いずれ地球規模の問題になります。この記事を読んで、少しでも問題に関心を持ってもらえたら、ぜひ自分でもいろいろ調べてみてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です